Slowly Style 〜サーフィンを通して知った贅沢〜
By Bar RockShore Hama
情報化社会の現代では、時間の速さが重要になってきている。
日本の高度成長期に物流が急速に溢れ、今現在では物が飽和状態になっている。

何でも簡単に手に入ってしまう。
手に入らないと精神的に不安になる。

情報がすぐに届く。
届かないと精神的に不安になる。
相手の連絡が無い事にイライラしてしまう。

高度成長期の産物とも言える様々な現代病。
多くの人が悩まされている習慣病。
「便利」や「早い」がいつのまにか麻痺してしまい「あたり前」になっている。

対人関係にも「あたり前」がはびこってしまっている。
「なぜ電話一本の連絡ができないの」
「なぜメールの返信がないの」

少し昔に戻って考えてみよう。

どこの家庭にも自宅電話があったが、携帯電話は存在していなかった。デートや用事は待合せは場所を決め時間を決め約束し成り立っていた。相手に気遣い、待合せの五分前には待合せ場所に到着た経験の有る人は多いだろう。

物や情報が早くなって来ているがために合理的に考えてしまう思考。
身近に有る本当の幸せが見えなくなっている。


Slowly Style 〜ゆっくりと流れる時間を楽しむ生活
一杯のインスタントコーヒーが至福の味わいになる時間


僕は個人的にサーフィンを楽しんでいる。
バーテン仕事が終わってから家で荷物を積み込んで海に向かう。

今の僕にはサーフィンを楽しむ為には必要な行動だ。
途中で眠気に襲われれば車を停め仮眠をとる。
絶対に無理はしない。

サーフィンは海で波に乗る事を楽しむスポーツ。
海に行って波がなければ波乗りは出来ない。
波は天候条件次第、悪ければ良い波は上がらない。
Poto:京丹後網野町八丁浜
良い波に遭う為には、何度も何度も海に通わなければ出遭えない。
今日良い波に出遭えたとしても、次週に出遭える保証は無い。

海に行ったがビーチで1日ボーっと座ってた事もある。
条件が悪く海に入らず帰ってきたことは1シーズンで何度もある。

自然相手の遊びだから、自然に合わせる。
それがあたりまえ。

いざサーフィンが出来る波に出会い、海に入る。
ボードに乗り、押し寄せる波を避けながらくぐりながら、アウト(沖)までパドルする。(パドルとはボードの上でクロールのように手を動かし海を漕いで進む事)

波に押し戻されても諦めず、ひたすら前進有るのみ。
何度も何度も押し戻されるが、諦めては波には乗れない。
どれだけ押し戻されようが、少しづつでも前に進む。

アウトして波を待つ。
チャンスを待つ。

良い波を探し狙いを付ける。
リアルタイムに動いて向かってくる波にマッタはきかない。

乗れるか判断する。
良い状態で乗れるように自分で調整。
波のスピードに合わせるようにパドルする。

自分のスピードが遅ければ波に置いて行かれる。
乗り遅れないように全力でパドル。

波の力と自分の力がシンクロした瞬間、波が創り上げるカーブの面へ一気に投げ出される。投げ出されたと同時にサーフボードの上でテイクオフ。(滑り出すボードの上に立ち上がる事)

波の斜面へ滑り降りるスピードは、まさにジェットコースター。
スピードとバランスをコントロールしながら滑り降りて行く。
Poto:静岡御前崎
このシンクロは何にも置き換えられない感覚。
説明できない光景とスピード感。

しかしそこで気は抜けない。

波は僕を投げ出した瞬間から態度を豹変。
僕を海へ落とそうとする。

波は僕を持ち上げるように盛り上がり、芸術的なカーブを形成してゆく。
襲いかかる波から逃げるように、次々上がる水の斜面を進んで行く。

スピードが速ければ波から出てしまう。
遅ければ波に飲まれてしまう。

一瞬の判断が速くても遅くてもいけない。
全ては自分の判断。

波に合わせ自然に合わせ、瞬間の判断で波のカーブを滑る。
自然の対話をするような波との押し問答。
頭の中真っ白にして波との調和を楽しむ。

乗り終わったら次の波を求めアウトへパドルしていく。

同じ波は存在しない。

同じように見えても、自分の状態で全てが変わる。
一期一会、全て真剣勝負。

これがサーフィン。

波乗りは人生と似ている。

思い返して考えてみると、良い波があるかどうか海に行かなきゃ解らない。
海に入っても押し寄せる波に打ち勝つ力が無ければサーフィンはできない。
波に合わせる技術と経験が無ければ楽しく乗れない。

最初の5年は全く面白くなかったサーフィン。

それでもサーフィンをやめない理由。


やり続ける事で失敗を経験し、いつの間にか波乗る体力と技術・経験が身についた。

波は地球が造り出す、サーファーへの試練とご褒美。
サーファーを拒む波は時として牙をむく時もある。

自然の力を楽しみ、波を楽しみ、スリルとスピードを楽しむ。
何にも置き換えられない、自然の力と自分の能力が調和する感覚。

自分の力が無ければ味わえない感覚。
体験した人にしか解らない感動である。

Slowly Style
一杯のインスタントコーヒーが至福の味わいになる時間


ひとしきりサーフィンを楽しんだあと、海から上がりお湯を沸かす。

今日1日を楽しませてくれたサーフボードは大切な相棒。今日の成果を思いかえりながら真水で洗い、綺麗に拭きあげボードケースへしまう。
着替えが終わる頃には日は落ち、お湯が沸く。

インスタントコーヒーを作り、テーブルとチェアーをセッティングして煙草を準備。煙草に火をつけ、チェアーに深く腰を据える。
冷えた身体をコーヒーで温める。

刻々と景色が変わり行く時間。
海に沈み行く夕日を眺めながらのスローリータイム。

何度も海に行くが、同じ光景は二度と無い。

行く毎に変わる光景も大自然の贈り物。
日が落ちて闇が広がれば空には満点の星が輝く。

こんな時間は街では味わえない至福の時間。

自然に合わせ、自然を自然に楽しむ僕のSlowly Style
一杯のインスタントコーヒーが至福の味わいになる時間。

僕の自己満足かもしれないが、サーフィンを通して知った最高の時間。

今日の波乗りの成果を友人たちと讃え合いながら語らいながら、時間を共に過ごすのも良し。一人で波音と風を感じながら過すのも良し。

コンビニで買った100円以下のインスタントコーヒーが、
愛飲タバコが、値段をつけれないくらい最高の物となる。

身近に物が有る幸せ。
その幸せ全てを感じる心、感謝する心。

僕の中にあるサーフィンは、ただのスポーツとしてではなく
今の僕を常に最良の状態にしてくれる必要不可欠なものだと思う。

サーフィンを通じて知ったSlowly Style

人には個々に様々なライフスタイルが有る。

個々に生活があるから色々面白い。
書いたものが全てではないとは思う。

だけど時として思う。

今現代で生活する人々は、ゆっくり自分を楽しむ為に、
もっと真剣にならなければならないと思う。


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